将来の貯蓄という目的で、積立NISAや不動産投資、短期的に稼ぐという目的で、株式投資やFXなどが話題となっていますが、最近はソーシャルレンディングが注目されています。
ソーシャルレンディングとは、一般の個人が企業に直接融資を行うというもの。
利回りがよく、稼げるということで、人気が高まっていますが、どういった仕組みでお金を稼ぐことができるのでしょうか。
この記事では、ソーシャルレンディングの仕組みやメリット、デメリットについてご紹介します。
ソーシャルレンディングをしっかりと理解した上で、取り組むようにしましょう。
ソーシャルレンディングとは
ソーシャルレンディングとは、インターネット上で個人間でお金の貸し借りを行う仕組みのこと。
従来の銀行や金融機関を介さずに、借り手と貸し手を直接つなげることができます。
そもそも、ソーシャルレンディングは、2005年にイギリスのZopaという企業が始まりだと言われています。そこから、2006年にアメリカのProsper社が設立され、日本では2008年に「maneo」「AQUSH」が誕生し、2011年に「SBIソーシャルレンディング」が誕生しました。
ソーシャルレンディングの仕組みはとてもシンプル。
借りたい人がプラットフォームに登録し、必要な情報を入力します。貸し手は借り手の情報を閲覧し、信用性やリスクを判断して貸し手となることができます。
貸し手は自分の投資を分散させるために、複数の借り手に少額ずつ投資することが一般的です。
ソーシャルレンディングの魅力は、利率が通常の金融機関よりも高い点です。
これは、銀行が持っている中間マージンを省くことで実現しています。また、借り手にとっても利息が低く、返済の負担が軽減されるメリットがあります。
ソーシャルレンディングの仕組みとは
ソーシャルレンディングは、投資家と借り手を直接つなぐオンラインプラットフォームを通じて成り立っています。その仕組みは以下のように概ね分かれています。
ソーシャルレンディングを利用したい場合、投資家や借り手はオンラインプラットフォームに登録
登録には本人確認などの手続きが必要な場合もありますが、一度登録すれば複数の案件に参加できるメリットがあります。
資金を必要とする個人や事業者は、プラットフォーム上で融資申請を行う
申請内容や返済計画などの情報が投資家に提供され、投資判断の参考となります。
借り手の融資申請が承認されると、投資家がその案件に対して出資を行う
融資金は複数の投資家から集まることもあります。このような仕組みにより、少額の投資でも多様な案件に分散投資できるメリットがあります。
借り手は定められた期間で融資を返済
返済が滞る場合にはプラットフォームが対応しますが、リスクを考慮して適切な案件選びが重要です。投資家は融資利息や元本を受け取ることで利益を得ることができます。
ソーシャルレンディングは、従来の金融機関よりもスピーディーで手軽な融資・投資を可能にし、個人や中小企業にとって資金調達の手段として、投資家にとっては高い利回りの運用方法として魅力的な選択肢となっています。
しかし、クレジットリスクやプラットフォームリスクなどのリスクも存在するため、慎重な判断と情報収集が必要です。
ソーシャルレンディングの種類
ソーシャルレンディングには、大きくマーケット型、ファンド型、オークション型の3種類があります。それぞれの特徴は下記の通りです。
マーケット型
- 投資家は、運用会社が審査した事業者に融資を行う
- 融資先のリスクに応じて、金利が設定される
ファンド型
- 運用会社が、複数の事業者に融資を行う
- 投資家は、運用会社に資金を預け、運用会社が融資先を選定する
- 運用会社は、融資先から得た利息を投資家に分配する
オークション型
- 投資家は、融資先に融資する金利をオークションで入札する
- 最も高い金利を提示した投資家が、融資先に融資を行う
ソーシャルレンディングは、投資家と事業者をつなぐ新しい金融サービスです。投資家は、低リスクで安定した収益を得ることができます。
また、事業者は、従来の金融機関では借り入れが難しい資金の調達が可能です。
ソーシャルレンディングには、リスクも存在します。
投資家は、融資先の倒産や返済遅延のリスクに注意する必要があります。また、投資家は、ソーシャルレンディングのプラットフォームを選ぶ際には、信頼性や運営実績を確認することが大切です。
ソーシャルレンディングのメリット
ここでは、ソーシャルレンディングのメリットをご紹介します。
高い利回りを得られる
ソーシャルレンディングは、伝統的な銀行に比べて高い利回りが期待できる投資機会です。投資家は、銀行にお金を預けるよりも、貸付を通じてより良い収益を得ることができる可能性があります。
低い初期投資額で手軽に始められる
一部のソーシャルレンディングプラットフォームでは、比較的低い金額から投資を始めることが可能。これにより、多くの人々が手軽に投資を始めることができ、資産の分散が可能になります。
多数の案件に投資できる
ソーシャルレンディングは、多様な貸付案件に投資できる機会を提供します。投資家は自らのリスクを分散し、複数の借り手に分散して投資を行うことで、リスク管理を向上させることができます。
投資するに当たっての詳細な情報を取得できる
多くのソーシャルレンディングプラットフォームは、貸付案件に関する詳細な情報を公開しています。投資家は借り手のプロフィールや返済計画などを事前に確認できるため、情報に基づいた意思決定が可能です。
社会へのインパクトが大きい
ソーシャルレンディングは、投資家が資金を提供することで、個人や小規模ビジネスにファイナンスを提供し、社会的インパクトをもたらす手段としても注目されています。投資家は、社会貢献を意識しながら収益を得ることができます。
ソーシャルレンディングのデメリット
ソーシャルレンディングは投資家にとって魅力的な選択肢ですが、その一方でデメリットも存在します。特に、以下の点に注意が必要です。
信用リスクが伴う
ソーシャルレンディングは、貸し手と借り手を直接結びつける仕組みを提供していますが、そのために貸し手は個々の借り手に対して、信用できるかどうかをしっかりと評価する必要があります。
信用度の低い借り手に対して融資を行うと、元本を回収できない可能性が高まります。
元本保証されているわけではない
ソーシャルレンディングは、通常の銀行預金や債券とは異なる投資手段です。
そのため、リターンに対する不確実性が高く、投資家は元本保証がないことを理解しておく必要があります。借り手が返済を滞ったり、元本の一部を回収できないリスクも考慮すべきです。
長期的な運用となることが多い
ソーシャルレンディングに投資した資金は、いつでも取り戻すことは難しい場合があります。
一部のプラットフォームではセカンダリ市場が提供されているものの、売買が成立するまでに時間がかかることもあります。したがって、投資家は長期的な視野で資金を運用する必要があります。
プラットフォームにもリスクもある
ソーシャルレンディングを提供するプラットフォームの信頼性も重要です。規制やセキュリティ対策が不十分な場合、ハッキングや詐欺のリスクが高まります。
投資家は信頼性の高いプラットフォームを選択することで、リスクを軽減することができます。
景気の影響も受けやすい
ソーシャルレンディングは、個々の借り手やプラットフォームのリスクだけでなく、マクロ的な経済環境の変動にも影響を受けます。
景気の悪化や金利の変動などがリスクを増大させる可能性があるため、投資家は市場全体の状況にも目を向ける必要があります。
ソーシャルレンディングが一般的に危ないと言われる理由は?
ソーシャルレンディングが一般的に危ないと言われる理由は、主に2つあります。
融資したお金が確実に戻ってくるとは限らない
ソーシャルレンディングでは、借り手との契約を通じてお金を貸し出しますが、借り手の返済能力や信用力を正確に判断することは難しいです。
したがって、借り手が返済できなくなった場合、投資家はそのリスクを背負うことになります。
一方で、ソーシャルレンディングのリスクを抑えるための手段もあります。
その一つがリスク分散です。複数の借り手に分散して投資を行うことで、一つの借り手の返済不能リスクに影響を受けにくくなります。
また、ソーシャルレンディング業者が審査やリスク管理を行っている場合もありますが、完全に保証されているわけではありません。
違法業者や詐欺業者の存在
一般的なソーシャルレンディング業者は法律に基づいて運営されていますが、中には法に反する行為をする業者も存在します。
また、個人間での取引が行われるため、詐欺業者が紛れ込んでいる可能性もあります。そのため、ソーシャルレンディングを利用する際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
ソーシャルレンディングは、一定のリスクが存在する投資方法ですが、適切なリスク管理を行い、信頼できる業者を選ぶことで、安全に利用することができます。
借り手の返済能力や業者の信頼性をしっかりと確認し、リスク分散を心がけることが大切です。投資家として十分な情報収集と慎重な判断を行いながら、ソーシャルレンディングを活用しましょう。
ソーシャルレンディングってなに?:まとめ
ソーシャルレンディングは、インターネット上で行われる新しい借入・融資の仕組みです。この仕組みでは、個人や企業が投資家から融資を受けることができます。
投資家は、借り手の個人情報やプロジェクトの詳細を確認し、自身で融資するかどうかを決めることができます。
この仕組みにより、借り手は手軽に融資を受けることができ、投資家は高い利回りを得ることが期待できます。
しかし、ソーシャルレンディングには一定のリスクも存在します。
まず、借り手の信用性や返済能力を正確に判断することが難しいというリスクがあります。また、借り手が返済義務を果たさない場合、投資家はその融資金を回収できないかもしれません。
そのため、投資家はリスクを適切に考慮し、融資を行うかどうかを判断する必要があります。
ソーシャルレンディングの仕組みを理解し、自身の適性を考慮したうえで、参加することが重要です。
最終的な判断は読者自身に委ねられますが、この記事を通じてソーシャルレンディングについての理解を深めることができると思います。